結論

  • Oh My OpenCode(OmO)のフル機能が目的なら、いまは V1(1.19.4)+ OmO Ultimate が確実。V2 では OmO プラグインは「読み込まれるが、agents / tools / hooks は動かない」状態で、フル体験は別製品の OmO Native に移っている。
  • OmO にこだわらず、V2 の設計(サービス型・Web/モバイル・バックグラウンド実行)が欲しいなら V2(2.1.x)へ移行してよい。ただし V1 プラグインは動かないので、自作プラグインと LSP 依存の見直しが必要。
  • 迷うなら V1 で待つのが安全。V1 はもう機能追加されず critical fix のみだが、そのぶん枯れている。V2 は 2026年10月に正式版になったばかりで、移行トラブルの報告がまだ多い。

何が変わったのか(V2)

OpenCode 2.0 は 2026年10月11〜14日ごろにメインラインへ昇格した。公式の移行ガイドが挙げる意図的な破壊的変更は3つ。

  1. プラグインAPIの変更(@opencode-ai/plugin → @opencode/plugin、Plugin.define({ id, setup }) 形式)
  2. サーバーAPI・クライアントの契約変更(@opencode/client へ)
  3. ターミナル設定の集約(複数の tui.json(c) → グローバル cli.json、初回起動で自動移行)

アーキテクチャ上の最大の変化は、バックグラウンドサービス化だ。TUI・Web・デスクトップが同じサービスに接続し、ツール実行もサービス側で行われる。サブエージェントやシェルコマンドのバックグラウンド実行、Code Mode(MCPツールをJSでまとめて呼ぶ)も入った。

見落としやすい変更:

  • LSP は V2 では動かない。移行ガイドは lint / 型チェック / コンパイラをエージェントに実行させる形へ置き換えるよう案内している。ホームページには LSP 対応の記述が残っており、ここは公式内でも食い違っている。
  • プロジェクト外ディレクトリへのアクセスが既定で許可される。V1 と同じ確認動作にするなら permissions に { "action": "external_directory", "resource": "*", "effect": "ask" } を足す。
  • 設定キーの一部が改名(bash → shell、task → subagent、plugin → plugins など)。V1 形式の設定は概ねそのまま読まれる。

世間の反応

肯定的な声(Hacker News の 2.0 スレッドは 887 points / 396 comments、2026-10-14)

  • クライアント/サーバー構成、ホットリロード、バックグラウンドタスク、設定編集用の組み込みスキル、UI の改善を評価する声。
  • 「V1 の不満がかなり消えた」「もう他のハーネスへ乗り換えなくて済む」という層がいる一方、同じスレッド内でも評価は真っ二つ。

批判・慎重な声

  • 移行手順の失敗(/update や opencode upgrade が通らない、インストーラが遅い、サービスが起動しない)。
  • プラグインが警告なく動かなくなる。V2 は V1 プラグインを発見はするが実行しない。plugin list には出るのに、フックが一度も呼ばれないという検証記事がある。
  • セキュリティ面の指摘。設定の優先順位(システム設定よりユーザー設定が勝つ)やプラグインのホットリロードが攻撃面になるとして議論になり、初期の指摘は修正・巻き戻しされた。ただし「V2 はセキュリティ設計への理解が甘い」と離脱したユーザーもいる。
  • LSP 非対応、UX の変更(Tab でエージェント切替ができない等)、Issue 数の多さ(3,000件超)を挙げる声。
  • Reddit では「V1 のまま様子見」「移行して DB エラーや無料モデル不調に当たった」という報告が目立つ。肯定的な人でも「プラグインを自分で直せる人向け」というニュアンス。

総じて、アーキテクチャの方向性は評価されているが、移行の粗さとプラグイン互換の断絶が不評、というのが現時点の空気だ。

Oh My OpenCode(OmO)はどうなったか

結論から言うと、V2 用の OmO プラグインは「ロードはするが機能しない」。

  • oh-my-opencode 5.1.44(2026-10-23)は V2 でも読み込めるようになった。ただし起動時に「OpenCode 2 support is limited: the plugin loads, but its agents, tools and hooks are not active here.」と表示し、OmO Native へ誘導するだけ。
  • 以前は V2 で PluginModule.LoadError になり、そもそもロードできなかった。ロード対応(#10439)が入ったのは 2026-10-18 で、それが 5.1.44 系に載った形。
  • V1 と V2 の両対応(dual-host)の本格移植は一時停止中。作者は「OpenCode 2 対応はプラグインがロードするところまで。フル体験は OmO Native で提供する」と明言している。

現在の選択肢は3つ。

選択肢中身V2向いている人
OmO Ultimate(V1プラグイン)V1 OpenCode に入れる従来版。エージェント群・フック・MCP・スラッシュコマンド一式実質不可今すぐフル機能が欲しい
OmO Nativeomo 単体コマンド。senpi エンジンに OmO を内蔵。OpenCode とは別プロセスOpenCode 非依存OpenCode を離れてもよい
oh-my-opencode-slim別作者の軽量版。V2.0.7+ に対応可V2 で OmO 風の体験が欲しい

注意点:

  • OmO Native は OpenCode のプラグインではない。omo setup でプロバイダキーや MCP を移せるが、OpenCode の設定ファイルとは別管理になる。
  • V1 の OmO Ultimate は「最もテストされている」経路ではあるが、V1 自体が critical fix のみの保守モードなので、長期的には行き止まり。
  • oh-my-opencode-slim は V2 対応をうたうが、OmO 本体とは別実装・別作者。機能差とサポート範囲は自分で確認する必要がある。

どう選ぶか

V1 に残る(+OmO を入れる)べき人

  • OmO のエージェント編成・フック・チームモードを今すぐ使いたい。
  • 自作プラグインや LSP 診断に依存していて、移植コストを払いたくない。
  • 仕事や執筆で使っていて、移行トラブルを避けたい。

V2 へ移行してよい人

  • OmO への依存が薄い(または OmO Native を別コマンドとして使う)。
  • Web / デスクトップ / モバイルから同じセッションに触れたい。
  • バックグラウンド実行や Code Mode を積極的に使いたい。
  • プラグインを自分で V2 API に移植できる、またはプラグインを使っていない。

自分の場合(この Vault の環境)

  • 現在の opencode は 1.18.35。OmO は未導入で、グローバルプラグインは Herdr 連携のみ。
  • Herdr のプラグインは { id, server, setup } の両対応形式なので、V2 でもロード自体は通る。ただし setup() が空なので、V2 で Herdr 連携がどこまで動くかは別途確認が必要。
  • したがって「OmO を試したい」なら V1 を 1.19.4 にして OmO Ultimate を入れるのが最短。「OmO はいいから V2 の機能が欲しい」なら V2 2.1.x に上げて、Herdr 連携と権限設定を確認するのがよさそう。

移行する場合の手順(V1 → V2)

  1. ~/.config/opencode と ~/.local/share/opencode をバックアップする。V1 と V2 は設定場所を共有するが、セッションDBは別物。V2 で起動した同じ HOME では V1 が Database is not empty and has no session table で起動しないことがあるので、検証は別 HOME かコンテナで行う。
  2. V1 のプラグイン一覧と、LSP 診断に依存している処理を洗い出す。
  3. opencode upgrade --major(または V2 インストーラ)で移行。V1 は削除される。
  4. 起動して、モデル・認証・エージェント・権限・MCP を確認する。
  5. プラグインを V2 API へ移植する。plugin list の ID が空ならロード失敗。
  6. 外部ディレクトリ権限と LSP 代替(lint / typecheck コマンド)を設定する。
  7. 問題があれば V1 用の HOME を分けて戻す。

更新コマンド自体は V1 でも V2 でも opencode upgrade。V1 は 1.19.2 以降、通常更新で 2.x を掴まないようになっている。V2 へ上げるのは --major を明示したときだけ。

出典

関連ノート